2月のブレックファーストしつもん読書会で取り上げたのは
『〈パワーポーズ〉が最高の自分を創る』エイミー・カディ著
プレゼンのトレーニングの際に勧められた本なんですが、プレゼンという目的以上の本だと言うことが分かりました!
今回は私のしつもん読書会で初めて2人っきりの読書会でした。そうが故にとても濃い2時間(話しすぎて実は2時間半)でした。その中で、この本で語られていることの良さをもっと多くの人に知ってもらいたいので、もう一回やった方がいい、ということを話し合いました。
どのように良かったかと言うと。。。
この本は、ただ力が出るポーズを教えるhow-to本ではなく、
実際のプレゼンを教えてくれるものでもありません。
この本は
なりたい自分を創る本であり、
他者へ、そして自分自身への影響力を増やすことが出来る本、
プレゼンスの大切さとプレゼンスとは何かを教えてくれる本でもあり、
パワーポーズという新しい視点を与えてくれる本なのです。
そう、
この本の原題は
PRESENCE
Bringing your boldest self to your biggest challenges
なんです!
(大きな挑戦をする時に自分らしさを最大限に発揮すること)
まず、パワーポーズってなんだろう?って思いませんか?
或いは悪いポーズをするとどうなの?とか
パワーポーズに至ったきっかけや、
影響力があった経験とかも気になりますよね。
さて、本の内容ですが。。。
原題の通り、プレゼンスについて語られています。
他者への影響力なんですが、実はこれ、自分自身へのプレゼンスであると語られています。それはつまり、ありのままの自分とつながっていて、自分自身との一致感があると最もパワーを発揮するのです。
興味深い事例として、起業家がベンチャーキャピタリストに対してプレゼンを行ってどの様なケースが資金を得ることに成功しているのかについての分析がありました。
驚くべきは、ベンチャーキャピタリストの目の付け所は起業家の実績やプレゼン内容ではなく、自信、安心感、強い熱意と言った点であり、それはとどのつまり声の質であり、身振りや表情などの振舞いであり、いわゆる非言語表現だったということ。これらの非言語表現は意図的な演技では作ることが比較的難しいと言われています。
NLPの学びの中でも出てくるのですが、言語と非言語が一致していることでその人が信頼できるかどうかを私たちは一瞬にして情報処理し判断しているのです。少なくとも9つの感情(怒り、恐れ、嫌悪、喜び、悲しみ、驚き、侮蔑、恥、誇り)は文化を超えて普遍性があるのだそうです。
話題を元に戻すと
プレゼンス、
それは自分を100%信じること、
本当の自分、経験の総体である自己、
それと共にいられるという主観的な感覚、
「本当の自分」と自分が一致していると言う感覚
その時にプレゼンスが生まれる。
ありのままの自分
自分らしい自分
ということ
そのために最も大切なことは、
リラックスすること。
事前の準備も入念に、しかし、ある程度まできたら内容の準備は止めて気持ちの持ち方の準備に切り替える。
「何を話すか」から「どう話すか」へ移行する
それでもやってくる不安
これに対しては、物事が上手くいかなかったとしても、
それは相手のニーズとは合わなかっただけの事だと受け入れる。
これらの極意は女優ジュリアン ムーアとの対話から語られています。
是非ジュリアンの下りも読んでいただきたいですね。
更にジュリアンは、プレゼンスを感じられるということはすなわちパワーがある状態であり、この状態は相手のパワーも引き出すことが出来るのだと語っています。
私の興味が強かったものに、「インポスター症候群(詐欺師症候群)」があります。自分の内なる声の中でも「自分はこれに相応しくないのではないか」と自分を蔑めるビリーフです。これは女性に特有の傾向かと思いきや、男性も同様にこの傾向を持っています。どんなに成功している人でもインポスターな人はいるのだそうで、軽減はするけれども一生その内なる声が止むことはないと語られています。しかし、その様な考えはごく一般的なんだと言うことを知っていれば、引きこもらずに他者にそれについて話すこともできるし不安への対処も出来ます。
インポスター症候群を知ることができただけでもこの本を読んだ価値があると思っています。
パワーがある状態とは
自分自身の中で一致感があり
リラックスしていて
ありのままの自分でいる状態
パワーには2種類あり、
社会的なパワー〜他人に及ぼす力のことであり、他の人の置かれた状況や行動をコントロールする力
個人的なパワー〜自分自身に向ける力で、自分の状態や行動をコントロールする力
理想的には両方のパワーを持つのが良いのでしょうが、個人的なパワーを持つことは不可欠です。そして、自分にパワーがあると感じられるかどうかは人生を非常に大きく左右するのですが、その感覚とは想像するよりもずっと簡単なきっかけによるのです。
パワーがないとどうなる?
不安が生じていると主に前頭前皮質が不活発になることで重要な認知機能が低下し、思考できない状態になります。
そして、自分しか目に入らない状態、みんな私のことをどう思っているの?という心の状態でプレゼンスを失うことになるのです。
パワーがあるとどうなるの?
パワーは「怒り、不安、悲しみ、恥」と言ったネガティブな感情から自分を守ってくれます。
また、パワーがある状態では他者へも意識が向いており、人を許す傾向があったり、友好的に相手を捉えたりします。
イジメであったりパワハラであったり他者にネガティブな行動をとることが社会問題化していますが、この下りを読んでいるとそのような状況は自分にパワーがないと無意識に感じている状況とも言えそうです。
パワーがある状態では認知機能が強化され、自由な思考が促されます。更には思考、感情、行動がシンクロし、真の自分の状態に近づくことが出来るそうです。
そして、もちろんパフォーマンスを上げてくれます。
パワーは生理状態も変えます。支配性ホルモンあるいは自身を高めるホルモンとも呼ばれるテストステロンが高く、ストレスホルモンとして知られているコルチゾールが低い状態=ストレスに上手く対処出来ている状態がパワーがある状態との調査結果が出ています。コルチゾールが高い状態でテストステロンも高いと、間違った方向に行動を促す可能性があり、不正をする可能性をある程度予測出来るそうです。
さて、パワーがある状態の体の動きを見てみましょう。
パワーは心を広げるだけでなく体も広げます。身振り手振りは大きく、力強い歩き方や話し方になります。そして、これには男女差が顕著なのですが、その原因は生物学的性差によるものというよりも、パワーの有無によるところが大きいと結論付けられています。
パワーのある状態にはどうしたらなれるのでしょう?
サーフィンでボードの上にちゃんと立って波に乗り続ける。そう決心することが初心者の域を出て上達する道なのだそうです。スキルを学んでも波に乗れない。波に乗ると決心すれば乗れる、ということ。
同様に、楽しいから歌を歌うと言うよりも、楽しくなるために楽しそうに歌を歌う。
こうありたいという自分のために、その状況を自ら作る、ということ。
この本では、歌の効用やヨガと呼吸法の効果を事例に出して感情の変化を説明しています。つまり、パワーのある状態やプレゼンスのある状態は能動的に作ることが出来る!
プレゼンスを導くポーズをハイパワーポーズ、逆にプレゼンスを失ってしまうポーズをローパワーポーズと呼んでいます。
プレゼンスを高めるためには姿勢や話し方を通じて身体を広げるボディランゲージをとること。大切な場面の前にパワーを高めるためにとるポーズの1つに著者の代表的なポーズとなったワンダーウーマンのポーズがあります。そして、大事な場面の最中では背筋を伸ばし両肩を後ろへ引き胸を張る、呼吸は深くゆっくりと。
本物になるまで、なりたい自分になるまで、ふりをし続ければいつしかそれが本当の自分になっているのです。自分らしいプレゼンスを出せている状態、パワーのある状態、それはどんな状態なのか思い描き、そのように振る舞うと決心し、実行すればいいのです。
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最後にこの回での魔法の質問です。
「今一番自分の中でネガティブに思っていることをポジティブに変えるには、どんな事を始めたら良いですか?」
この本に興味の湧いた人は、是非下記のサイトもお勧めします。
https://www.ted.com/search?q=Amy+Cuddy
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さて、次回以降のブレックファーストしつもん読書会の日程です。
3月12日 今日!@代官山
4月15日(土)9:00
5月13日(土)9:00